ひろく・記録

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登山2回目、野生動物に3回遭遇した話(2018/7/15)

突然ですが、これは5か月とちょっと前の記録です。

今までなんとなく気が向かなくて後回しになっていたのですが、年の瀬なのでそろそろ書こうと思います。




このとき初めてトレッキングに行ってから、すっかりそ山に魅せられてしまった私。

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割と簡単なコースだったし、人もいっぱいいるような場所だったし、見れた景色も本当に美しかったのもあり、とっても良い思いでした。
友人とも「また行きたいね」という話をして、さっそく人生2回目の登山を計画したのが7月。
正直、めちゃくちゃ浮かれていました。


ヤマレコとかで初心者向けの難易度の山を眺め、なんとなくここ良さそうかな~?という目星をつけ、向かう。
正直、めちゃくちゃ浮かれていました。


大切なことなので2回言いました。
「山に行く」ってことは「自然に入っていく/お邪魔する」という事だなぁ。と強く思った記録になります。





この日、行ったのは県内某所の山。
ネットの海で得た情報によると「山頂から海が見える山」らしく、理由あって*1海が見える山に熱いものを感じる私は、友人を誘ってさっそく行くことにしたのでした。



道に迷ったりしながら、登山口付近についたのは午後12時頃。
今思えば、これから山を上るにはけっこう遅い時間でした。


駐車場に車を停め、道にある古い木の看板を頼りに登山道へと進みます。

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しかし実はこれ、間違ったルートだった。


「なんかヤケに草が生い茂ってるなー」とは思っていたのですが、その通りだったんですよね。
だってほとんど使われていない道なんだもの……。


進んで行けばいくほどに道は狭くなり、草も鬱蒼と生い茂っていき。
茂みの中に小さな祠のようなものや案内板を見つけ、「めちゃくちゃ埋ってるじゃん!」などとはしゃいでいました。


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ふと、私たちの進行方向にある茂みの向こう側から物音が。


ドン……ゴトン…ゴトン……


何やら、そこそこ大きそうなものが動く音。
草の向こうに道があって、車でもいるのかな?
と、この時は暢気に考えていました。




ガサガサガサガサ!!!!




突如、音と共に揺れる目の前の茂み。
何かいる!!!!



突然の出来事にビビりまくった私たちは、一目散に来た道を走って引き返しました。


その後、茂みの向こうの「何か」はこちらを追いかけてくることはなかったのですが、もうメチャクチャ怖かった。
心臓が跳ねるってこういうことを言うんだなと。


クマが近くにいる時は鼻音や獣臭がするとよく聞くのですが、その時はそういったものは無く。
登山者かな?と思いましたがあんなに鬱蒼とした場所に、しかもわざわざ草をかき分けて下ってくるルートに居る人間がいるのか?


いまだに真相は謎なのですが、大きめのシカなどだろうと自分たちに言い聞かせ、正しいルートから山を目指すことで仕切りなおしました。





正しい登山口への道は砂利道を20分ほど歩くルートで、そこを経由して、今回は無事に登山口へアクセスしました。


登山口をまたいですぐ、目に入ってきたのは木々に囲まれた水辺。

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水がとても冷たく澄んでいて、ここで涼んでから頂を目指します。




山の中は、背の高い木が一面を囲う、まさに「自然の中」でした。

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道も、木でできた階段などはあるのですが完全に整備されているということではなく、一部けもの道のようなところもあるコースでした。


とても幹の太い立派な杉の木や、たくさんのキノコが生えた倒木などが見受けられ、自然のいろいろな姿を見ることができました。
それと登山ルートに添えられている「○合目」の看板が比較的新しかったのが印象的でした。

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あとはアブが大量に飛んでいて、同行者かな?ってレベルで常に周りを飛んでいました。
止まれば刺される。歩いてても刺される。

最初のうちはうざったくて仕方がなかったのですが、進んでいくうちに「今足にアブいるな」「今刺されたな」っていうのが感覚で分かるようになりました。
あと下山して車に戻った時、虫が飛んでる音が聞こえなくなって少しさみしさを感じるくらいにはこの時あたりまえに世界の一部になってたみたいな感じがありました。


進めば進むほど広大な自然に呑まれるような感覚で、「もののけ姫」みたいだねなんて話しながら登りました。



今回は標高が870mほどの山だったのですが、あまり天候に恵まれなかったためか、上に行くほど霧が濃く、上の写真のように進行方向にはモヤがかかった状態でした。
「視界がよくないだけだろう」と思っていたのですが、やはりこの中を歩くとなると徐々に服なども湿ってきて、初夏だというのに寒さを感じました。
このあたりの対策は怠ってはいけないですね。基本中の基本です。反省……



そうして進んで行き、上り始めてから1時間半ほど歩いた頃でしょうか。
山頂の手前、山小屋がある開けた場所に出ました。

事前に調べた情報によると、岩場から海や市街地を一望できるという高原です。



……が、道中よりもさらに濃い霧が広がっていたため、何も見ることができませんでした。
どこを見ても真っ白。


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う~~ん、無念!


この調子だと山頂まで行っても見晴らしは良くないだろうということで、休憩を兼ねていったん山小屋に入りました。


ここで買ったばかりのバーナーでお湯を沸かし、炊き込みご飯とピラフを食べました。

こういうお湯を入れて数分待てばホカホカのご飯がたべられるやつ。
まさにアウトドアのごはん!って感じで「お気軽登山メシだなぁ」なんて思ったりしました。



そして腹ごしらえをして山小屋を出ます。
この時すでに15時半頃。

天気が悪いのもあり、上ってきた時よりも暗くなってきていたので足早に山の麓へと歩みを進めます。


霧の中を歩くことによる湿気、思っていたよりも歩行距離が多かったことによる疲労などで登り始めの頃ほどの元気はなく、黙々と歩きます。


山鳴りや近くの海の音、麓の工事のような音などがひっきりなしに辺りに響いていたのですが、疲労が増すにつれ「動物の声なんじゃないか?」「また何かいるんじゃないか?」と思い始めてしまい、一刻も早く下山したいという気持ちで歩いていました。



思い出される、姿は見えない「何か」がいた茂みの向こうの音。
自分たちを取り巻く自然。登山道脇に広がる木々と笹の葉。


考えれば考えるほど、すべてに対して恐怖が芽を出し始めました。


でもそりゃそうなんですよね。
こうして人間は登山に来ますけど、そこって元々野生の動植物が生を営んでいる場所なんですもの。
自然の中に入ってしまえば人間なんて弱い生き物なんでしょう。

せめてもの気休めでしかないですが、クマ鈴をできる限り鳴らしながら歩きました。




そして山の5合目くらい、そこまでキツかった傾斜が割とゆるやかになり、向こうまで水平に見渡せる平地に差し掛かった時でした。





ダンッッッ






大きい音。
それと同時に地面を伝って足に伝わる振動。


100mほど先でしょうか。

とても大きいシカのような生き物が突如藪の中から飛びだし、登山道を横切っていったのです。


あまりに一瞬の出来事でしたが、音と同時に足がビタッと棒になったのは今でも鮮明に思い出せます。

野生動物に怯え、あれこれと考えていたところにまさかの本物登場


成人してからこんなに焦ったことあったか?ってくらい心臓はバクバクで、立ち竦んでいる足も膝がガクガクで。

そこからはもう私はずっと膝が笑いっぱなしで、友人も無言で、ただただ黙々と先ほどまで以上に早足で山を下りました。


歩きながら、ずっと頭の中を「行きはよいよい 帰りはこわい」という言葉がぐるぐるしていてとても気が気じゃなかった。




そして、登り始めて最初にみた水場の近くまで下りてきました。
ここが見えればあとはもうすぐ……
と思った矢先、


水場から走り去る動物の姿!


小さめのシカ!



もはや小さかろうが怖いよ!!




走り去るシカの後ろ姿を震える足で見送り、最後の力を振り絞り、小走りで登山口まで駆け戻った我々なのでした――


-


と、これが「野生動物に3回遭遇した登山2回目の話」になります。


正直ほんと怖かった。
自然の中に入るってこういうことなんだ、と身を持って体験した日でした。


動物はもちろんのこと、天候などもしっかりと考慮のうえ臨まなければならないですね。

この後、2018年はあと4回登山に行ったのですが、この経験があったからこそソロでも無事山行に臨むことができたのかな、と思います。
一人だとなおさら気をつけなくてはいけないこともありますし。


ぶっちゃけこの直後はあまり振り返りたくない気持ちがあったのですが、5か月以上経った今となってようやく時効?というか自分の中で整理がつけられたように感じます。


まあ平たく言うと、初心者がいきなり無茶攻めた結果怖い思いをした話ですね。


痛みなくして得るものなし、といいますか。この思いは教訓として忘れてはいけませんね。


何事もなく無事でよかったですが、学んだことの数々を肝に銘じたうえで来年の登山に挑みたいと思います。
まずは早い時間に行こう。





と、長くなってしまいましたが。


来年も怪我や不測の事態等に対する備えを怠らず、よりいっそうの楽しい山ライフを送りたいです。

来年は県内の標高ナンバーワンとナンバーツーの山に行きたい!!!
目指すぞーーーオーッ!!!

*1:これは何回でも言う話なんですが、山を登るきっかけの一つ・アイドルマスターSideMの【アートコレクション】古論クリスの信頼度MAXセリフに「海が見える山」にまつわる話がでてくる。